Tetsuoの部屋
フリーライター、Tetsuoの部屋。趣味は映画、音楽。その他、釣り、乗馬など。
映画日誌「題名のない子守唄」
 ジュゼッペ・トルトナーレの最新作だが、この人の名前を知らしめた、ニュー・シネマ・パラダイスとは違い、サスペンスもの、ミステリーものと言ってよい内容。しかし、さすがに巨匠だけあって、ツボを得たエンターテインメントとなっている。何より、主演のロシアの名女優、クセニャ・ラポポルトの名演技が見物。これに加えて、スピーディーな展開、カットバックの技巧も見事なものだ。
 ミステリーものとすれば、ドラマが進行するにつれ、ある程度、主人公の過去などはわかってくるが、主人公の過去と同時進行する現在の部分での、主人公の目的が最後で全てようやく明らかになる、と言う展開は定番的なもので、これはこれで、結構面白い。しかし、ここらは、もう少し、見る側に謎を解くカギも投げかけて欲しかったような気がする。これは、人間好き(?)の監督だからだろうか、少し人間を色々と織り混ぜすぎたせいかも知れない。主人公がウクライナ出身と言う設定、主人公が家政婦として入り込む家の中の夫婦の不和、黒カビの存在、ラスト近いところでの父親の存在・・・。ここらは、少し詰め込みすぎの感もある。
 しかし、謎が明らかになったようで、実は、このドラマの中で一番のカギとなる存在の、テアが、果たして本当は、誰の子だったのか・・・。ここが少し曖昧なのが、却って見るものを消化不良にさせてしまうようだ・・・。もっとも、もし、主人公の完全な思い違いだったとすれば、このドラマ自体が成立しないことになってしまう。というわけで、見る側は、あまりこの辺は気にせず、女の哀切に浸ればよい、と言うわけか・・・。
 私が見た劇場では、この映画のリターン鑑賞の場合、千円に割引のサービスを行っていたが、どうしても、納得がいかない客は、もう一度、映画を見返して、確かめなおしてください・・・と言う意味なのかな?まあ、私は、あえてもう一度見ようとまでは思わないが。
★60点
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