Tetsuoの部屋
フリーライター、Tetsuoの部屋。趣味は映画、音楽。その他、釣り、乗馬など。
映画日誌「4ヶ月、3週と2日」
 チャウシェスクの独裁政治が終わりかけていた頃のルーマニア。
 この頃、禁止されていた中絶にあえて踏みきる女子学生と、それを手助けする友人。
 反体制に立ち向かう人間像を描いたものでもない。男性に責任を問うことが出来ず、自分だけの力で問題を解決しようとする女性がテーマ、というわけでもない。当時の社会体制の問題点を指摘したものでもない。
 では、何がテーマなのか・・・。結局、さっぱり分からない。
 冒頭から脈絡の無い描写が続く。しかし、それでも中絶と言う一大決心をし、ついに実行されるところの描写などには自然と引きずりこまれるのは確か。
 ここが一つのピーク、とすれば、では、この後の展開はどうなるのか、と思いきや、これといった新しい展開もないし、何の問題解決もないまま、突然終わってしまう。
 途中、音楽も全くなく、最後のエンド・クレジットでようやく音楽が流れ出すだけ。
 演じる女優の演技がなかなか見事なこともあり、映像の世界に引き込まれるのは確かなのだが、どうも、もどかしさを感じてしまい、消化不良のまま唐突な結末を迎え、なおさら見るものは戸惑いを感じてしまう。
 結局、これは全て監督の意図的な、一つの“演出”なのか?
 だとすれば、巧みなもの、とも言えるかもしれないが・・・。
★55点
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映画日誌「アメリカを売った男」
 2001年、それほど前でもない時に、ロシアに情報を売っていた二重スパイが存在した。
 こうした事実を基にしているのだが、決して政治告発物でもないし、アメリカの恥部をさらすのが目的でもない。ここらは、やはり娯楽性重視のアメリカ映画なのだろうが、事実を基にしているだけに、あまり登場人物の人間性などを詳しく描くわけにも行かず、どちらかと言えば淡々とした展開なのは仕方ないのだろうか。この中でも、クリス・クーパー演じる二重スパイは、渋みがあってなかなか見もの。クールなFBI捜査官でありながら、プライベートでは家族を大切にし、敬虔なキリスト教徒でもある。また別の面では、ゆがんだ性の趣味もある。こうした、とらえどころの無い謎の人物というところは却って面白みを増すことになるのだが、それを取り巻く若い監視役、監視を命じる女性捜査官あたりの人物像、心理描写はややあいまいな感じで、ここらで少し物足りなさが残ってしまうのが残念な感じだ。
 そもそもなぜ二重スパイをやることになったのか、そろそろ潮時と感じ、自ら二重スパイを辞めることをほのめかすあたり、もう少し人物像の掘り下げも欲しかったが、これもやや限界があったのだろうか。
 それなら、監視を行う側の心理的カ葛藤をもっと強調するなどして、ストーリー展開にメリハリを加えれば、サスペンスとしてもまだ味わい深くなったのかもしれないが。
 例によって、もったいぶった感じの会話のやり取りが続いたりするあたり、アメリカ映画にありがちな押し付けがましさがあり、これがさらに、地味すぎる印象を与えてしまう。
 娯楽性、社会性、人間ドラマ、全てを求めるのは、やや贅沢かもしれないが・・・。
 ★60点
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メイキングCMの世界
柳沢慎吾のCMでおなじみの、DHCの天然水。
 太陽にほえろのヤマさんをモチーフにした、刑事の取り調べを想定したもの。
 一般の人をいきなりつかまえ、突然取り調べ調で、DHCのおいしい天然水を飲んだ感想を言ってもらう、と言う内容。CM撮影現場の様子を紹介した、CMメイキング映像をたまたま見ることが出来たが、やはり、撮影現場の苦労が伺える。
 通りがかりの一般の人をいきなり指名して、座ってもらうまでの間、CMではわずか数秒だが、ここまでの撮影だけでもどれだけ時間、手間、NGが繰り返されたか・・・。
 特に、こうした屋外で、ぶっつけ本番にちかい形でのメイキングならではの苦労と同時に、面白さを知ることが出来るものだ。
 映画と違い、CMはごく限られた時間に、どれだけ商品のステイタスを折り込むことが出来るか・・・。
 時間、マーケティング、演出力、演技力、これらがすべて凝縮されたもの。
 これが、CMの撮影現場と言うものだろう。
 映画愛好家の私からすれば、こうした映像の世界も、いろいろと示唆されるものがある。

 OKが出て、撮影終了後、一息つくときに、癒しを与えてくれるもの。

 これも、DHCのおいしい天然水、というわけか・・・・・。

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柳沢慎吾の「いい水飲めよ」でおなじみのこのCM。
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2007年度 私的ベスト10
 少し遅れて、キネマ旬報の2007年度ベスト10特集を購入する。
 毎年、この特集号は保存版として購入していて、昨年の内外の映画界の動向を勉強することになるのだが、同時に、ベスト10も大いに気になるところ。私が個人的に印象に残った映画と、どの程度選考に食い違いがあるのかが一番問題だ。
 洋画のベスト10では、「善き人のためのソナタ」が、ベスト10、読者選出ベスト10でも上位に入っているのがやや意外なところ。読者選出では1位になっている。
 キネ旬のベスト10は、多数の映画評論家が投票をして、その集計から選出されるので、毎年、多少は最大公約数的な選出結果になるのは仕方ないところだろうか。
 それでも、ベスト10の中には、私が見ていない映画も多く、改めて、最近、見る映画の本数が減っているのを痛感させられる。
 さて、私の方で選出した、2007年度のベスト10としては、
1)ゾディアック
2)デパーテッド
3)ラスト・キング・オブ・スコットランド
4)オフサイド・ガールズ
5)善き人のためのソナタ
6)エディット・ピアフ 愛の賛歌
7)ボルベール 帰郷
8)プレステージ
9)題名のない子守唄
10)グッドシェパード
こういったところだろうか・・・。
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映画日誌「ハーフェズ ペルシャの詩」
 イラン映画にも個人的に思い入れがあるだけに、この映画も是非見ておきたい、と思ったのだが、これまでのイラン映画とは少し違う感じもする。
 日本とイランの合作映画で、日本人女性が出演しているだけに、多少は日本人の感性にも合うものを、との意図があったのだろうか。ストーリー展開よりも、全体的に叙事詩的な味わいを深めた作風で、それはそれで結構味わいはある。しかし、日本人女性が、聖職者の娘で、チベット人、という設定で登場するのはどのような意図があったのかはよく分からないし、なぜわざわざ日本人の女優を起用したのかもよくわからない。
 ハーフェズという、かつてゲーテにすら影響を与えた古典詩人がいた、と言うことや、鏡に対して祈りをささげる風習、などはイランの人々以外にはなかなか理解しにくいかもしれないが、それはさておき、ハーフェズの詩をきっかけに展開する、ロミオとジュリエット的な恋物語のようで、脈絡の無い描写が延々と続くだけで、結局これと言った展開もなしに結末を迎える、というのも意図的なものだったのだろうか。
 ややなじみにくいイランの古典叙事詩をテーマに、どうせ、理解しにくいのなら、そのままで、とにかくシュールレアリズム的に、多少は現代のイランに舞台を置き換える形で、独自のペルシャ文化を味わってください、というわけだろうか。
 よくわからないながらも、独特な風情を楽しめるのは間違いないが、これが、イランの人たちにはどう映るのかは、実際にイラン人に聞いてみないと分からないだろうが・・・。
★55点
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